He's funny! 河鍋暁斎はキャラ立ちした画家だった!
【ゴールドマン コレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力】展
をBunkamuraに観に行きました。
コレクターのゴールドマンさんが He's funnyとの理由で彼の作品を収集したくなる気持ちが分かりました。
かわいい擬人化された動物たち、大人向け作品、リアルな幽霊たちなどなど、「かわいい!」「え、ぐろい!」「こわっ!」「絵うまい!細かすぎる!」「これ欲しい!」と終止暁斎に振り回されっぱなしの1時間でした。
展覧会は4/16(日)までなのでお急ぎください!!
河鍋暁斎って誰?
そんな個性豊かな河鍋暁斎(かわなべ きょうさい)(1831~1889)は、幕末明治に浮世絵師・日本画家として活躍しました。
(引用:河鍋暁斎肖像写真 河鍋暁斎記念美術館)
7歳であの歌川国芳に入門し、10歳には狩野派に入門。
浮世絵と狩野派を学び、幕末明治で多様な文化が入り交じった時代に生き、色んな分野の要素を吸収し彼らしく表現したからこそ、どのジャンルに分類してもしっくりこないような際立った個性を感じます。
最初に入門した歌川国芳もまた勝川派や琳派から学んだため、その影響もありそうですね。
浮世絵師はよく名前が変わりますが、暁斎も狩野派時代は「洞白」、虎の浮世絵が評判になってからは「狂斎」、政府高官を怒らせた風刺画を描いて投獄されたのを機に「暁斎」と改名をしています。
個人的には「狂斎」が一番彼らしくしっくりくる名前に感じます。
展覧会の見どころ
<河鍋暁斎と動物>
展覧会では、思わずくすっとしてしまうような、かわいい表情の動物や擬人化された動物をたくさん見ることができます。
特に鴉コレクションが充実しており、どんだけ鴉好きなんだ!と思いつつも、どの鴉も表情が違っていて、「こいつはおとぼけ鴉」「こいつは癒し系」「こいつはイケメン!」と個性豊かな鴉がいっぱいでした。
(引用:立命館アート・リサーチセンター『鴉』)
よく死後になってから評価されるようになる画家がいますが、暁斎は肉筆画の『古木感鴉図』が内国勧業博覧会で最優秀賞を受賞し、破格の値段がついたそうです。
吉兆を表す鴉はコレクターにも人気のモチーフなのかもしれません。
ちなみに絵の右下とかにある印章にも鴉がいたりするので、隠れミッキーならぬ隠れ鴉を探してみてもいいかもですね。
(引用HP:河鍋暁斎記念美術館ミュージアム)
<河鍋暁斎と幽霊>
ぐろいリアルな幽霊もいれば、ユーモアたっぷりの陽気な骸骨もいたりと、一つのモチーフでも様々な表情を見る事ができます。
(引用:「ゴールドマン コレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力」公式HP)
骸骨は西洋画でもモチーフとしてよく用いられていますが、浮世絵でも人気の題材だったようです。
暁斎の師匠の骸骨は迫力満点!
(引用:立命館アート・リサーチセンター 歌川国芳『相馬の古内裏』)
師匠はファッションにドクロを初めて取り入れたファッション界の師匠だったかも?
(引用:立命館アート・リサーチセンター 歌川国芳『国芳もやう正札附現金男 』)
<実物を見る価値あり>
太い線を使って大胆に描く部分もあれば、こんな所に模様があったのか!と後で気づく程細かい模様が描かれていたりと、実物を見ないとすごさは伝わらないです!
この着物の模様とかは特に繊細さが圧巻でした↓
(引用:立命館アート・リサーチセンター『地獄太夫と一休』)
河鍋暁斎をもっと知りたかったら
もっと知りたい河鍋暁斎―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
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ひ孫さんが設立した美術館が埼玉にあるようです。